京都銅版画協会ミニアチュール展2026|AI時代にあえて「銅版画」の魅力と技法を語る

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こんにちは。今回は「京都銅版画協会ミニアチュール展」の見どころと、私たちが作品に込めている“こだわり”についてお話しします。

「銅版画協会」だけど、実は銅版画だけじゃない?

銅版画とは、銅の板に溝(凹み)を作り、そこにインクを詰めてプレス機で紙に刷り上げる「凹版画(おうはんが)」という技法です。お札の偽造防止技術に使われるほど緻密な線が表現できる他、銅版画独自の技法も数多く存在します。

「銅版画協会」という名前ではありますが、厳密に言うと、実は銅ではない素材を使った版画作品もいくつか並んでいます。

「それってずるくない?」と思われるかもしれませんが、これらには共通点があります。それは、「概ね、銅版画用のエッチングプレス機を使って制作されている」ということです。今回の展覧会には、このプレス機で刷ることに強いこだわりを持った作品たちが集まっています。

AI時代に、あえて重厚なプレス機を使う理由

AIが簡単に絵を描ける今の時代に、「わざわざ古い技法を使い、何百キロもある大層なプレス機を使って作品を作る意味はあるのか?」と思われるかもしれません。

しかし、プレス機で刷ることで、紙にわずかな「凹凸(エンボス)」が生まれます。 このわずかな凹凸こそが作品に独特の奥行きを与え、版画ならではの世界観を作り出してくれるのです。だからこそ私たちは、この表現にこだわって制作を続けています。

多彩な技法で表現される「版画」の世界

実は、そういう私も今回は「銅」ではなく「塩ビ(エンビ)板」を使い、ドライポイントという技法で制作しています。厳密にいえば「エンビ版画」と呼ぶべきものかもしれません。

また、他の作家さんたちの表現も非常に多彩です。

  • コラグラフという手法(ハセガワアキコさんの作品など) 版の上にモデリングペーストやニスを塗って物理的に凹凸を盛り上げ、その素材の表情を紙に刷り取る技法です。

  • 写真と版画の融合(前川先生の作品など) 私自身、今回は写真をプリンターで刷った上からドライポイントを重ねる技法に挑戦しましたが、前川先生のように「写真を最初から銅版に製版して刷る」というアプローチをされている作家さんもおられます。  

京都銅版画協会ミニアチュール展2026年のdmはがき

今回のdmの作品写真はハセガワアキコさんの作品です

京都銅版画協会作家紹介前川秀治作品

前川秀治先生作品2014年京都銅版画協会DMより

デジタルで描いたイラストは、モニターを通じて手軽に鑑賞できる良さがある一方、ネット上に公開するとAIに学習されてしまい、「オリジナル(原画)の証明」が難しくなるという課題も耳にします。

その点、銅版画はお札の偽造防止にも使われるほど、極めて複雑な印刷工程を経て成り立っています。機械で真似をしようとしても、国家レベルの高度な技術が必要とされる世界です。

時代が変わり、デジタル技術が進化を遂げた今だからこそ、この「簡単には複製できない古い銅版画の技術」の価値に、時代が追いついてきたのではないかと感じています。

デジタル画面(モニター)越しでは決して伝わらない、紙の凹凸やインクの奥行きを、ぜひ会場で「生」でご高覧いただけますと幸いです。

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